生活支援・認知症・介護・身元保証・有料老人ホームへの住み替え・終活まで。シニアが安心して暮らせる総合支援窓口

居宅介護支援事業所とは、介護支援専門員(ケアマネジャー)が在籍している事業所です。
今回は、居宅介護支援事業所について解説します。

目次

居宅介護支援事業所とは?

介護保険では「自宅」のことを「居宅」と言います。

居宅介護支援事業所は、分かりやすく言うと「自宅で介護保険のサービスを利用している人を支援する事業を行う事業所」となり、介護支援専門員が在籍しています。

ただし、支援の対象となる人は要介護認定で「要介護1~5」の認定を受けた人になり、「要支援1・2」の認定を受けた方が対象となる事業所は「地域包括支援センター」になります。

居宅介護支援事業所の報酬は居宅介護支援費から

居宅介護支援事業所の報酬は、居宅介護支援費と呼ばれています。

居宅介護支援費は、ケアマネジャーがケアプランを作成した担当している利用者(要介護者)の人数に対して、1ヶ月ごとに得られる介護報酬のことです。

利用者(要介護者)は、ケアプランを作成してもらっても居宅介護支援事業所へお金は払いません。

介護保険のサービスを利用すれば、自己負担金も発生しません。

ケアマネジャーを抱える居宅介護支援事業所には、介護保険から報酬が支払われます。

(例)要介護3の利用者のケアプランを1件作成した場合
1,398単位(居宅介護支援費Ⅰ)×10円=13,980円

上記以外に一定の条件を満たした場合に加算を追加することができます。

居宅介護支援費(Ⅰ)とは、ケアマネジャー1人当たりの取扱件数40件までに与えられる単位数で、40件を超え60件未満の場合には698単位となってしまいます。

つまり、1人のケアマネジャーが沢山の利用者に対してケアプランを作成すれば、沢山報酬が得られるという仕組みではありません。

しかし、一定の情報通信機器(人工知能関連技術を活用したものを含む)の活用または事務職員の配置を行っている場合は、居宅介護支援費(Ⅱ)に算定され、ケアマネジャー1人当たりの取扱件数45件までが1,398単位となります。

簡単に言うと、事務員さんがいる居宅介護支援事業所の方が、ケアマネジャー1人が作成できるケアプランが5件増えても報酬は減らないという仕組みです。

土日祭日24時間連絡が取れる居宅介護支援事業所

「ケアマネジャーに連絡をしたいが、平日の時間外、土日や祭日は休みで連絡は取れない。何か緊急に相談したいことがあっても夜は連絡が取れない」そんな話をよく伺います。

居宅介護支援事業所は、9:00~18:00の時間帯に業務を行っているところが多く、業務時間以外は留守電になってしまいますが、24時間連絡が取れる居宅介護支援事業所があるのです。

それは、実施・提供しているサービスの質が高いと認められた「特定事業所加算が受けられる」居宅介護支援事業所で、特定事業所の加算が認められるのには、下記の条件をクリアする必要があります。

  • 常勤の主任介護支援専門員(ケアマネジャー)を2名以上配置していること
  • 常勤の介護支援専門員(ケアマネジャー)を3名以上配置していること
  • 利用者に関する情報やサービス提供時の注意事項の共有を行う会議を週1回以上実施していること
  • 24時間の連絡体制や相談に対応できる体制を確保していること
  • 要介護3~5の利用者が全利用者数の4割以上であること
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)に対し、計画的に研修を実施していること
  • 地域統括センターより支援困難な事例を紹介された場合でも、係る者に居宅介護支援を提供していること
  • 地域包括支援センター主催の事例検討会への参加していること
  • 運営基準減算もしくは特定事業所集中減算を受けていないこと
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)1名当たりの利用者数が40名未満であること
  • ケアマネジメントの基礎技術に関する実習に協力している
  • 特定事業所加算を受けている

このような事業所では、事務所の電話を携帯に転送する方法で、スタッフの方々が当番制で連絡に対応しています。

但し、24時間対応が可能と言っても、むやみやたらに連絡をすることは控えましょう。何故24時間連絡を取る必要があるのでしょうか?

例えば、「独居で認知症のある担当の利用者が、夜間徘徊をして交通事故のにあい、救急搬送をされたが、独居で身寄りもいないため居宅介護支援事業所以外に連絡先がなかった」など、緊急時のための対応策です。

通常の業務時間以外に連絡をする場合は、本当にやむを得ない場合のみにしてくださいね。

居宅介護支援事業所の選び方

まずは、お住まいの近くにある事業所を探しましょう。

自宅で介護を受けるにあたり、連携はとても大切です。

また、近隣の事業所であれば、お住いの地域にある訪問介護事業所(ヘルパーさんがいる事業所)やデイサービスなどのサービス事情に詳しいケースが多く、よい提案をしてくれる可能性があります。

また、緊急時にも速やかに対応してもらえるかもしれません。

そして、一番大切なことは、居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーとの相性です。

ケアマネジャーと言っても、十人十色。親身に相談に乗ってくれるケアマネジャーもいれば、事務的なケアマネジャーもいます。ご本人やご家族に合ったケアマネジャーを選びましょう。

もし、「相性が悪いな」と感じたら、ケアマネジャーを変更しましょう。

また、居宅介護支援事業所と同じ会社が、デイサービスや訪問介護事業所を運営している場合、同社で運営しているデイサービスや訪問介護事業所を優先的に提案されることがあります。

ケアマネジャーには、中立で公平な立場であることが求められていますので、疑問を感じたらなぜ同社運営の事業所の利用を提案するのか質問してみましょう。

自宅で介護サービスを利用しながら生活していくためには欠かせない居宅介護支援事業所。

どこの居宅介護支援事業所を選んでよいか?迷った場合には、地域包括支援センターに相談してみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

埼玉県生まれ。博報堂勤務を経て、埼玉県内の介護事業会社勤務。
医療福祉接遇インストラクター、東京都福祉サービス評価推進機構評価者。
2001年より成長期の大手介護事業会社において、広告宣伝室室長として、社外向けの広報誌の作成、入居者促進業務に携わる。

書籍
『認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌』

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