お葬式の流れ
あなたが喪主の立場となって、葬儀の主宰者となることが一生のうち何回あるでしょうか。
勿論、中には一度も経験することがなく人生を終える人もいるでしょう。
突然、近しい方が亡くなられてしまい、悲しんでいる中、即座に決めなければならない事がいくつもあります。
例えば、病院や施設で亡くなる場合、いつまでも病室にいるわけにはいかず、霊安室への移動、霊安室がない場合は、葬儀社に連絡をして迎えに来て頂かなくてはなりません。
あらかじめ、決めていた葬儀社があるのであればまだしも、決まっていないのであれば、病院に紹介して頂くか、自分で探さなければなりません。
また、お葬式の通夜・告別式、1日葬、火葬式の形式、参列者をどの範囲まで声掛けするなど、費用を含めてどのように執り行うかを決めておかないと、高い買い物になってしまいます。
不幸ごとは、昼夜問わず起こります。
今の時代、情報は安易に入手することはできます。生前から情報収集し、事前にどのようなお式にするのか、安置場所の問題、費用の事を含めてある程度、決めておくと良いでしょう。
自宅で亡くなった場合
掛かりつけの病院へ連絡し、医師の診断をしてもらってください。
事故や事件性がある場合には、警察への連絡となります。
宗派によっても変わりますが、故人を北枕、間取りによっては西枕に寝かせます。
これは、お釈迦様が入滅(亡くなった)ときに、頭は北、顔が西に向いていたところから、
そのように云われています。
その際、人や動物は涙を流して悲しみ、花や木は涙を流すことはできませんので、花や葉の色を金色や銀色に変えて、悲しみを表現したそうです。
そういったこともあり、お葬式に出される供養物の煌びやかな花輪や盛り篭の装飾に使用しています。(諸説あります)
今となっては死語なのでしょうが、「村八分」という言葉があります。
これは、残りの二分において、火事とお葬式の時は手を貸すものとされています。
以前は、自宅からお葬式を出した時代から変わって、公営斎場や葬儀社が運営する会館で送る式へと移行しています。
式場を利用するには、当然ながら式場費用やその場所のルールに則って進行していかなければなりません。
お式を進行するにあたり、重要となるのが寺院です。菩提寺があるのであれば、住職への連絡をして式の段取りをするにあたり、住職の都合に合わせた日程で式場と火葬場の予約を取らなくてはなりません。
家族葬とは
高齢化社会の背景に、人付き合いが希薄になり、家族だけで葬儀を行いたいという希望の方が増えてきました。良く聞かれることが、どこまでの範囲が家族葬なのか、ということです。
一緒に住んでいる親兄弟、親戚まで含めるのか、また、関わりの深い隣近所や友人知人までは認めると、曖昧模糊としています。
家族葬で故人を送ることで、ご家族が納得できるお別れのかたちをつくり出しやすくなります。その反面、親族や友人・知人を含め、残される方々にとってどのような方法が納得できる家族葬になるか、慎重に考える必要があるといえます。
- 身内や故人に近しい人だけで送りたい。
- 参列者が少ないことが見込まれるため、葬儀の規模を小さくしたい。
- 小さな葬儀でも心を込めて見送りたい。
- 故人が生前に希望したかたちで無理なくお別れをしたい。
家族葬は、このような考えをお持ちの方に適した葬儀のかたちです。
時間がない中で熟考することは、心痛のさなかにある遺族にとって葛藤があるかもしれません。故人の遺志を尊重しつつ、遺族の希望やその後のことを含めて、家族葬を選択されるケースも見受けられます。
家族葬だから本当に家族だけで葬儀を行わなければならない、と思っている方も多いかもしれません。しかし、先に述べたように家族葬に明確な定義はなく、参列していただく範囲に決まりはありません。
ご親戚はもちろん、故人と親しかったご友人など、ご家族以外の方が参列されてもかまわないのです。
どのように大切な方を送りたいか、ということに重きを置いて、お声をかける範囲を決めていくと良いでしょう。
家族葬を行う際には、注意しておきたいことがあります。
ご家族が把握していない人脈や人徳が故人にあった場合、家族葬を終えたあとに「どうしても弔意を表したい」と故人を慕う方が自宅を訪問され、残されたご家族が対応に困ってしまうという話も聞きます。
また、家族葬だから・・・とお知らせする方や参列する方を家族のみに限定してしまったがため、に「なぜ、葬儀に参列させてくれなかったのか!」「家族葬を行う前に知らせてほしかった・・・」などと、やり場のない想いをあびせられることもあります。
葬儀後の事も考慮し、お知らせする範囲を慎重に検討したうえで、家族葬を行うことをおすすめします。
家族葬のメリット
最近では、参列者の高齢化や社会情勢の変化により、主要な方に葬儀の案内をしても、結果的に少人数の家族葬になることが多々あります。悲しみの中にある遺族が、参列する方への気遣いや準備などに追われないことにより、故人とのお別れに向けた心づもりの時間を、少しでも長くとることができています。
また、遺族や故人と親しい間柄の方々を中心としたお見送りができ、故人との思い出話をするなど、気兼ねない時間をゆっくりと過ごすことができます。遺族は故人と親交があった方々に対して、生前のお礼を丁寧に伝えることもできます。
故人が、生前に託した葬儀に対する希望をかたちにし、出棺前の限られた時間を家族だけで過ごすというように、遺族の希望も取り入れやすくなります。
以上のように、故人や遺族の想いを葬儀に反映させ、葬儀のかたちにとらわれないアットホームなお別れに近づけることができるのも、家族葬のメリットです。
家族葬のデメリット
家族葬の場合、遺族が訃報を知らせる方が限られてしまいがちです。そのため、弔問に訪れる人が少なく、それに伴って香典収入も少なくなる傾向にあります。葬儀費用は香典によって賄われる部分が多くあるため、その分葬儀費用の持ち出しの割合が増える場合もあります。
また、葬儀後に訃報を知った人が、故人の自宅へ弔問に訪れるケースもあります。予期せぬ訪問に慌ただしく部屋の片づけをしたり、香典返しを準備したりするため、思わぬ手間や出費が後々発生することも考えられます。
さらに、地域性や故人もしくは遺族の地位・立場によっては、家族葬という葬儀のかたちを会葬者や親族に受け入れてもらえない場合もあります。「故人が粗末に扱われている」「皆でお別れをしたかった」というように、不義理として伝わってしまうと、遺族に対して不満を持たれる可能性が生じます。
家族葬で後悔しないためには、‘‘家族葬‘‘という言葉が独り歩きして、その解釈が人それぞれで違うことにより、思わぬトラブルが起きやすくなっています。
少子高齢化などから必然的に葬儀の規模は小型化していますが、本来知らせるべき筋や関係先がある場合には、礼を逸しないように配慮すべきでしょう。
参列に制限を加えたり、故人の関係を無碍にした場合、後になって「なぜ、連絡をくれなかったのですか?」と、咎められてしまう恐れがあります。やり直しがきかない葬儀において周囲に角を立ててしまうことは、残された方々にとっても良い結果とはいえないでしょう。
また、故人の人脈の全てを家族が把握しているケースは少なく、その人たちのおかげで今までの生活があったという場合もありますので、不義理は避けたいものですので、ご家族で良く相談してください。
お葬式の費用
正直に申し上げて、葬儀社によって価格設定は違います。
利用する式場、祭壇の種類や、求める葬儀の種類、地域性もあります。
当然、それまでに介護に看護、医療費等もあるでしょう。後の生活も気にしながら予算をあらかじめ決めておくべきでしょう。
先に逝く親の立場からすると、金銭的な負担を子供たちにはかけさせたくないと思って、私の会社へも自分自身の葬儀についての事前相談に来られます。
ヒアリングをし、概算見積もりをお渡しすると、少し安心されて帰っていかれるのですが、
私は必ず一言、補足しています。
「時間があるときに、他社さんからも同じ希望で見積書を取り寄せて、情報収集はしておいたほうが良いですよ」って。
参考までに
- 家族葬
28万~35万円 - 一般葬
30万~(オプションなど、上を見たらキリがありません) - 火葬式
9万~20万円
費用の中に、どのような商品項目が含まれており、別途費用として発生する商品は何であるかをきちんと確認し、オプションとなるものは自分たちが求めている葬儀に、本当に必要なものか見極めてください。
お布施
形ないものに対して、金額を支払うという概念に納得し難い時代になりました。
昔であれば、精魂込めて育てた農作物で良かったのでしょう。
ところ変われば戒名には位があり、お寺には宗派もありそれぞれ格式があります。
費用に関しては、菩提寺に直接確認することをお薦めします。
お坊さん「お気持ちで・・・。」という言葉があったにもかかわらず
そのお坊さん、後から喪主に「お気持ちが、足りないようで・・・。」と、後から追加請求されましたと、
ぼやいた喪主もいらっしゃいました。
その時の生活事情はそれぞれ違います。支払える範囲を超えている場合は、家庭の状況を説明し、理解を求めれば住職も人間ですから、分かってもらえるはずです。
また、菩提寺がなければお寺さんを紹介することもできます。
- 火葬炉前経
5万円程度 - 1日葬
7~10万円 - 通夜・告別
13~18万円 - 戒名・法名依頼
- 回忌法要
3~5万円 - お車代
5,000円~1万円(但し、遠方からの場合はプラスアルファを包むと良いでしょう。)
依頼する葬儀社さんに確認すると良いでしょう。