生活支援・認知症・介護・身元保証・有料老人ホームへの住み替え・終活まで。シニアが安心して暮らせる総合支援窓口
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自宅復帰のリハビリが中心の老人保健施設

老人保健施設とは、入院後病状が安定したけど自宅へ帰るには不安があるため、自宅へ戻るためのリハビリをする方が対象の施設です。

介護老人保健施設とは、要介護者であって主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設。
介護保険法第8条第28項

自宅復帰のためのリハビリを目的にしているため、特別養護老人ホームや介護付有料老人ホームのように、長期に入居することはできません。基本的に3ヶ月を目途に入居する施設です。

医師が常駐

介護や看護・医師のサポートが受けられる老人保健施設は、在宅復帰を目的としている施設ですので医学的な管理のもとで、介護・看護・リハビリが行われます。

他の施設にはない大きな特徴の一つが医師が常駐していることです。

医師が常駐しているため、たん吸引やインシュリン注射・経管栄養などの医療的ケアの対応も可能で、施設内で薬も処方してもらうことができます。

また、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などのリハビリの専門スタッフが配置されていて、医師の指示書による在宅復帰に向けたリハビリを受けることができます。

入所中に、担当の理学療法士(PT)やケアマネジャーが自宅の状況を実際に確認し、在宅で安心して生活ができるよう、生活導線のアドバイスをはじめ、住宅改修や福祉用具の選定もしてくれます。

入居期間は原則3ヶ月

他のホームと異なり、入居期間は原則3ヶ月となっています。

在宅に復帰することを目的とした施設のため、入居後3ヶ月ごとに在宅復帰可能かどうかが検討されます。身体状況が回復し、在宅復帰が可能と判断された場合は、退去しなければなりません。

自宅復帰が難しいと判断された場合は、そのまま入居していることも可能ですが、一定期間(約3ヶ月〜1年・施設により異なる)が経過しても、身体状況の回復が見込めない場合には退去となり、特別養護老人ホームや有料老人ホームへ転居をすることになります。

余談になりますが、何故か何年も入居できる老人保健施設もあるようです。

老人保健施設を利用する際の注意点

医療保険は使えない

特別養護老人ホームや介護付有料老人ホームでは、受診した際は医療保険が適応になりますが、老人健康施設に入所中は、介護保険と医療保険を同時に利用することができません。

入所中に必要な医療行為は、施設に常駐している医師が行いますが、介護保険が適用となります。
また、入所前から服用している薬は施設内で処方され、こちらも介護保険が適用されます。

入所中に体調不良となり、施設内では対応が難しい場合は連携している病院に受診します。

この場合の費用は施設側が負担します。老人保健施設の母体が「医療法人」が多いのはこの辺の事情があるようです。

もし、施設に許可なく施設以外の医療機関を受診した場合は、全額自己負担となる可能性があります。

限度額を申請して補足給付の対象となる場合も

老人保健施設は、特別養護老人ホームと同じく公的施設ですので、一時金のような費用はありません。

所得の少ない方や生活保護を受給している方などは、限度額認定の申請をすることで、居住費と食費の補足給付(※)を受けることもできます。

(※)補足給付の対象者は、住民税非課税世帯でかつ預貯金等の資産の合計が、単身500万円以下、夫婦1,550万円以下であること。

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この記事を書いた人

埼玉県生まれ。博報堂勤務を経て、埼玉県内の介護事業会社勤務。
医療福祉接遇インストラクター、東京都福祉サービス評価推進機構評価者。
2001年より成長期の大手介護事業会社において、広告宣伝室室長として、社外向けの広報誌の作成、入居者促進業務に携わる。

書籍
『認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌』

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