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特別養護老人ホームと介護付き有料老人ホームの違いを聞かれますが、ものすごく雑な言い方ではありますが「基本的には一緒です」と答えています。

目次

特別養護老人ホームと介護付き有料老人ホームの違い

どちらも、24時間いつでも施設にいるスタッフから介護が受けられ、3食のお食事とおやつが付き、レクリエーションや季節の行事で楽しませてくれるので基本的には一緒ですが、次の違いがあります。

運営母体の違い

特別養護老人ホームは、社会福祉法人や地方自治体しか運営できないため民間の企業は認可はおりませんが、介護付き有料老人ホームは、都道府県から「特定介護入居者生活介護」の指定を受けることで民間企業が運営できます。

入居基準の違い

特別養護老人ホームは、基本として要介護3以上の方しか入居できない施設ですが、介護付き有料老人ホームは、それぞれの施設が決めた基準をクリアできれば入居ができます。

介護付き有料老人ホームは、要支援2以上であれば入居の対象となる施設が多いようですが、要支援1から入居基準にしているホームや、別途費用はかかりますが「自立」の方が入居できるホームもあります。

入居金の違い

特別養護老人ホームは、入居時に支払う入居金はありませんが、介護付き有料老人ホームは、入居時に支払う入居金というものを設定しているホームもあります。入居金とは、入居時に一定期間分の家賃を前払いするという意味合いのものです。

利用料の違い

特別養護老人ホームは、年収に応じて利用料が異なりますが、介護付き有料老人ホームは、年収の額に関係なく毎月の利用料は一緒です。

入居金を支払うメリット・デメリット

入居金は家賃に充当されるため、支払うことで毎月の利用料を安く抑えることができます。

入居金を支払うメリット

7年償却を設定している施設が多いですが、その年数を超えたとしても追加で費用は発生しないケースが多いため、長くホームに入居できるようであれば支払い総額を考えると、入居金支払って入居したほうがお得になります。

入居金を支払うデメリット

数百万円というかなり高額金額を一括で支払う必要がありますし、クーリングオフ対象期間(90日)を過ぎた後に、途中で退去した場合は、初期償却分の返還金はありません。

どんな理由で退去するにせよ初期償却分は返金されませんので、ホームの環境やコミュニティが合わないからと言って、転居を簡単に考えられなくなるかもしれません。

入居金0円のメリット・デメリット

入居時の費用を安く抑えたいとお考えの方には、入居金0円のホームがおすすめです。

入居金0円のメリット

なんといっても入居金が不要なので検討しやすく、入居したもののホーム環境やコミュニティが合わないと感じたら、すぐに退去できることがメリットの一つです。

入居金0円のデメリット

入居時に家賃相当分の金額を支払っていないため、毎月の支払額は入居金を支払ったケースよりも高くなります。

また、長期に入居する場合には退去するまでの支払い額の合計が、入居金を支払った場合より高くなるケースもあります。

月額利用料

首都圏にある介護付き有料老人ホームの月額利用料の相場は20万円~35万円程度ですが、100万円越の施設もあります。

内訳は、家賃・管理費・食費・共益費などですが、この他に介護保険の自己負担金、医療費(往診医や口腔ケア費)、おむつ代、理美容代などが必要になるため、少なくとも毎月20万円以上は必要だと考えておいた方がいいでしょう。

ホームページや、チラシなどには「月額利用料178,000円~」等と、一見すると安価な価格で表記されている場合がありますが、「~」がついている場合が多いので注意が必要です。

そして、なぜか小さい文字で、「上記の金額のほかに、〇〇〇、〇〇〇、〇〇〇が必要となります。詳細はお問合せ下さい」となっているところがほとんどです。

安いから申し込みをしようと話を聞いたところ、ホームページやパンフレットに表記されている金額以外に必要な支払いが多くあり、結局は月々の支払額の合計が25万円以上になってしまうなんてことはよくあることです。

利用者1人に対しての職員の人数も確認

介護保険法により、特別養護老人ホームや介護付有料老人ホームなどには、入居定員に対する必要な職員配置数「3:1」の基準が定められています。

これは、入居者3人に対し1人の介護職員または看護職員を配置しなくてはならないという意味ですが、常勤の総数が3対1の基準を満たしているということです。

3対1以上に手厚い職員体制のホームも

介護保険法で決められた「3:1」より、手厚い職員体制をとっているホームも多くあります。

例えば、入居者2人に対して、1人の介護職員が配置されていることになり、きめ細やかな介護を望んでいる方であれば「2:1」をとっているホームがあります。

しかし、ホームによって呼び名は異なりますが、サービス費とか上乗せ介護費用などの名目で、1ヶ月の利用料金が高く設定されているホームが多いです。

医療依存度の高い方は24時間看護のホーム

介護付き有料老人ホームの場合、看護職員(看護師もしくは准看護師の資格が必要)は、入居者30名未満で最低1人という基準が決まっていますので、施設には看護師がいます。

しかし、9時~18時しかいない施設もあるため、インシュリン注射や経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)、痰の吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)、中心静脈栄養(IVH)、在宅酸素などの医療行為が常時必要な方には、24時間看護師が常駐しているホームがあります。

特別養護老人ホームにも看護師は配置されていますが、夜間に看護師を配置しているところが少ないため、夜間に痰吸引が何回も必要な方など医療依存度の高い方は、入居をお断りされるケースもありますので注意が必要です。

本格的なリハビリができるリハビリ特化型も

多くのホームでは、トイレや着替え・入浴、・食事等の日常生活動作そのものをリハビリとしてとらえ、自立した生活を支援するという考え方の生活リハビリを取り入れていますが、マシーンを使ったリハビリをご希望の方には、「リハビリ特化型のホームがあります。

本格的なマシーンを数多く揃え、専門のPT(理学療法士)やOT(作業療法士)を数多く配置し、マンツーマンでリハビリに対応してくれるところもあります。

看取り

特別養護老人ホームは看取りをするけれど、介護付き有料老人ホームは看取りをしないと思っている方も多いようですが、終末期のケアを行う報酬として看取り介護加算が新設されてから、職員や看護職員が、かかりつけ医と連携をとり、多くの介護付き有料老人ホームで看取りの対応を行っています。

今や、介護付き有料老人ホームでの看取りは当たり前となっていますが、行っていないホームもありますので事前にお問合せください。

無理なく支払い続けられる利用料が重要

どこかお薦めのホームはありますか?と良く聞かれます。

仕事柄、様々なホームを見学してきた中で、入居したいと思うホームはいくつかありますが、残念ながら入居一時金は数千万円、月額利用料だって60万円とかのすごく高いホームなんです。

最優先に考えるべきことは、無理なく支払い続けられる月額利用料で絞り込むことです。病気に入院するのと異なり、ホーム入居は何年や何十年も入居するかはわかりません。

実際、私の母は10年以上ホームに入居しています。

当初、介護付有料老人ホーム(月額利用料約27万円)に入居していましたが、ある日「おや?なんで貯金がこんなに減るんだ?」と気が付いて、ざっと利用料を計算したら2,000万円以上支払っていたことが判明して冷や汗をかきました。

どんなに気に入って入居したホームでも、支払いが滞れば退去せざるを得なくなるため、ある程度余裕を持って支払うことができるホームに絞りましょう。

ご紹介したように、介護付有料老人ホームはそれぞれに色んな特徴があります。

同じ運営母体にも関わらず職員や入居者によってホームの雰囲気は全く異なります。
必ずホーム内を見学し、職員やスタッフの表情を観察しましょう。

その際に、施設長やホーム長から色々と話を聞くことはできますので、是非、現地に足を運んでください。

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この記事を書いた人

埼玉県生まれ。博報堂勤務を経て、埼玉県内の介護事業会社勤務。
医療福祉接遇インストラクター、東京都福祉サービス評価推進機構評価者。
2001年より成長期の大手介護事業会社において、広告宣伝室室長として、社外向けの広報誌の作成、入居者促進業務に携わる。

書籍
『認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌』

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