シニアのべんり箱編集部です。
本日は、首都圏を中心に全国の不動産を取り扱われている株式会社インプルーブのエステートプランナーの越後谷様に取材にご協力頂きました。
株式会社インプルーブとはどんな会社?
まず最初に、御社がどのような会社なのかを教えてください。
私たちは「迅速・正確・丁寧にコミットする」をモットーに、首都圏を中心に全国の不動産売却に強みを持つ不動産会社です。
所有者同士で揉めていたり、物件自体に問題があったり、売却が困難な物件や、短期間で成約を求められる物件など、多種多様なお悩みに対して豊富な解決実績を持っています。
また、弁護士さんや司法書士さんなど、士業との協業によるワンストップ体制が整っているため、「認知症」や「行方不明」の問題で、通常では売却が困難とされている不動産の売却も、安心してご相談いただけます。
そのため、ご自宅を売却して有料老人ホームへのお住み替えをご希望される方の不動産売却も、数多くの実績が御座います。
認知症は高齢者にとって深刻な問題ですよね。
施設の担当者から伺ったあった方のお話ですが、認知症のお父様が介護型老人ホーム入居の目途が立ったので、娘様が手続きを進めていました。
入居金はご自宅の売却で払おうとしたんですが、いざ不動産会社へ売却を依頼すると「認知症の方は売れない」と、数社全てに断られてしまったケースがあります。
売るための手続きは約1年位かかるので、まずは弁護士さんに相談するように言われたそうです。
結果、介護型老人ホームへの入居は見送り、娘様が仕事を退職してお父様の介護をされることになったようです。
当社にも、同様のご相談を多くいただきます。
ご相談された不動産会社の担当者が仰る通り、認知症を患ってしまうと、不動産の売却はできません。
その場合「成年後見制度」の手続きを行い、お父様の後見人を裁判所に選任してもらう必要があります。
この手続きに約1年間かかるとの事だと思いますが、これは間違いです。
約3~4ヶ月程度で売却まで可能です。
認知症問題は、経験の有無で大きく計画が狂ってしまうリスクがあるので、実績ある専門家へ依頼することが重要です。
本当にその通りですね。
不動産会社のプロの方からみて、自宅の売却を検討している際に、一番最初にやるべきこと、重要点や注意点があれば教えて下さい。
不動産を売却するときに、まず初めに決めることは売却までの期間を明確にすることです。
例えば、ご自宅を売却してホームの入居金を準備する計画の場合、販売期間に長くても1ヶ月程度が期限となってきます。
一方、入居金は預貯金で準備できる方は販売期間に制限がないため、通常3~6ヶ月程度の売却期間を設けて売却することができます。
そこで不動産を売却する一連の流れをご説明致します。
不動産を売却する一連の流れ
- 不動産の法令チェック(建築主や建築時期・新築する際の法令制限等)
- ライフラインチェック(電気・水道・下水・ガス等)
- 建物の故障チェック
これらの調査を行った後に、広告や現地(内覧)へのご案内等の販売活動を開始します。
不動産売買契約書等の書類に署名押印後に、手付金を受領します。
承認の可否は、約3週間程度で結果が分かります。
非承認の場合は、受領済の手付金を返却して、不動産売買契約は白紙解約。
改めて販売活動を開始することになります。
物件残代金を受け取ります。
住宅ローン等の残債がある場合は、借入額を完済した残金が手取額となります。
残代金を受け取ったら、名義を新所有者に変更する手続きを同日に行います。
売却先の選び方
販売期間の違いによって、どんな違いがあるのですか?
売却の期間に応じて購入していただく方のターゲットが異なります。
ターゲットは大きく分けて①エンドユーザー、②不動産会社となります。
ホーム入居の資金計画に併せて、ご説明します。
売却代金で入居金を準備する場合
この場合は、不動産会社の買取が最適です。理由は約1ヶ月で確実に現金化する必要があるためです。
不動産の取引では、購入者が決まったら不動産売買契約から代金全額を受領するまでに、約4週間程度の期間が必要となるため、実際に販売活動が行える期間は数日から1週間程度です。
エンドユーザーだと、販売開始して売買契約までに約3~6ヶ月が必要となり、約1週間以内でエンドユーザー購入者を見つけるのは現実的には大変困難であるためです。
またエンドユーザーの住宅ローンが非承認だった場合は契約が白紙解約になってしまうリスクを伴います。
一方、不動産会社だと、契約までに3日~1週間程度で売買契約が可能であり、ローンが非承認だった時の白紙解約条件がないため、1ヶ月で確実に現金化することが可能です。
デメリットとしては、エンドユーザーに売却するよりも価格が下がってしまうことが挙げられます。
預貯金で入居金を準備する場合
この場合、エンドユーザーへの仲介が最適です。余裕をもって販売活動を行うことができるためです。
エンドユーザーに向けて、適正価格で販売活動を行った場合の成約期間の目安は3~6ヶ月ですので、売買契約から代金受領までの期間を考慮しても、2~5か月間の十分な販売期間を設けることができます。
ここで、高値で売却するポイントをご紹介します。不動産の価格は「適正価格・販売価格・仕切価格」の3つをイメージすることです。
査定価格による適正価格を算出した後に、±3%~5%の価格が販売価格と仕切価格となります。
急いで売る必要はない場合は、適正価格の+3%~5%(販売価格)内から販売活動を行います。
引き合い状況を見ながら少しづつ価格を下げて最高値の購入者を見つけていくことができます。
なかなか購入希望者が現れない場合には、適正価格の-5%~7%(仕切価格)内の割安感のある価格にして、確実に購入者を見つけていくことができます。
例:3,000万円の適正価格の場合
仕切価格(-5%~7%) | 適正価格 | 販売価格(+5%~7%) |
2,790万円~2,850万円 | 3,000万円 | 3,150万円~3,210万円 |
預貯金で準備できても買取が適する場合
十分な時間を設けて仕切価格で販売をしても、なかなか売れない場合があります。
例えば、建物が古かったり建物の状態が良くない場合です。内覧した時の印象が悪かったり、リフォームにいくら掛かるか分からない不安から、敬遠されてしまうことがあります。
一戸建ての場合だと、雨漏りや建物が傾いているケースも少なくなく、建物の補修や取壊しに関していくら掛かるか分からない不安から、敬遠されてしまうことがあります。
その他にも、建物内で事件・事故があった場合や、近隣との揉め事がある場合、共有持分者と不仲の場合などが挙げられます。このような場合には、確実に買ってもらえる不動産買取が適しています。